●腕を動かすと腕や肩、肩甲骨周辺が痛む。
●肩を動かしたときに肩から腕の外側にかけて痛みがある。
●肩を上げる途中だけ痛みがある(上げてしまえば痛くない)。
●自分の力で上げるのは困難だが手で支えながらなら上げられる。
●夜間に突然に激痛が肩に始まった。痛みで寝られない。動かすことができない。
●腕を動かすと腕や肩、肩甲骨周辺が痛む。
肩関節周囲炎(五十肩)
病態
50歳前後に好発する肩の痛みと可動域制限を主訴とする病態のはっきりしない肩関節疾患の総称です。70歳でも五十肩と言います。
肩関節周囲炎は3期にわかれて治癒していきます。
- 炎症期:安静時痛、夜間痛、運動時痛が強く、肩の動きが困難になる急性期。
- 拘縮期:急性期は過ぎ、痛みは軽減してきますが、関節が硬くなる可動域制限が目立ちます。
- 解凍期:痛みと可動域制限の回復期。
東大沢整形外科内科での治療および治療方針
まずは鎮痛を図るために薬物療法 外用薬(湿布薬や塗り薬)、内服薬(消炎鎮痛薬)、関節内注射(※1ヒアルロン酸や※2ステロイド薬)を行います。
※1ヒアルロン酸注射(関節に注入し軟骨の保護や滑りを良くする)
※2局所麻酔・ステロイド剤(疼痛・炎症を抑える:比較的即効性がある)
鎮痛の治療とともに理学療法士、鍼灸師によるリハビリを行います
①炎症期の場合(安静にしてても痛い、寝るときも痛い)のリハビリ
この時期は、理学療法士で夜寝るときの姿勢の指導、日常生活活動でのアドバイスをさせていただき、鎮痛の治療とともに生活でのストレスを除去して、痛みの改善を早期に図ります。
②拘縮期~回復期の場合(痛みは軽減しているが動かすと痛む)
積極的に肩を動かしていきます。その際、動く範囲を徐々に広げていくようにします。
無理な動きは禁物で、痛みが強くならない範囲で行います。
理学療法士が様々な方向に肩を動かし、固まっている位置を把握しながら部分的にストレッチを指導します。
石灰性腱板炎や腱板損傷による肩の痛みで、保存療法に反応しない場合は手術療法へ移行することもあります。
●肩を動かしたときに肩から腕の外側にかけて痛みがある。
●肩を上げる途中だけ痛みがある。(上げてしまえば痛くない)。
●自分の力で上げるのは困難だが手で支えながらなら上げられる。
腱板損傷・断裂
病態
関節は上腕骨が筋肉で吊るされたような構造になっています。
その吊るしている筋肉が腱板筋です。この筋肉は骨同士に挟まれている所に位置しているため傷つきやすいです。
腱板も年を取ると老化をしますので、解剖学的な位置の特徴と老化が合わさって引き起こされます。
半数は明らかな受傷転機があるが残りの半数ははっきりとした原因がなく、日常生活動作の中で軽微に傷をつけていきます。
五十肩との違いは動くが痛みを伴うこと。五十肩は固くて動かせない(拘縮)
治療
まず保存療法(3ヶ月)が選択されます。
完全断裂でも、症状の改善する場合があります。 また、部分断裂の一部で治癒することが報告されています。しかし、完全断裂した場合には、自然治癒することはほとんどなく、また時間と共に断裂部は拡大します。
痛みが強い時期には鎮痛を中心に薬物療法 外用薬(湿布薬や塗り薬)、内服薬(消炎鎮痛薬)、関節内注射(ヒアルロン酸や局所麻酔薬・ステロイド薬)を行います。痛みが強い時期には理学療法士が姿勢の指導や日常生活で肩の使い方の指導などを行います。
痛みが減ってくると理学療法士による拘縮予防の関節可動域訓練と腱板訓練が中心です。
損傷の程度が大きく、長時間除痛が得られない場合や、腕が上がらない生活に不自由が強い場合には手術療法が選択されます。
その時は、患者様と相談の上当院提携病院を紹介致します。
●夜間に突然に激痛が肩に始まった。痛みで寝られない。動かすことができない。
石灰沈着性腱板炎
病態
石灰が肩にたまる原因は未だに解明はされておりません。腱板内に石灰沈着を生じ、これが滑液包内が破れた時に痛みが発生するとされています。
40~50歳代の女性に多くみられます。
レントゲン撮影によって上腕骨頭周辺に石灰沈着を確認します。
治療
肩関節に対してステロイド剤と局所麻酔剤の注射を行います。局所の安静がとても大切になります。
痛みによって他部位への負担も考えられるため、当院では希望があれば理学療法士が身体、姿勢をチェックし、間接的に負担の軽減を図っていきます。