肘・手首・指が痛む

●物を持ちあげるとき、蛇口・蓋を開けるとき動作で肘が痛む
●お子様の手を引っ張ってから痛みがある。
●ボールを投げて肘が痛む
●転倒した際に腕・肘をついてから痛む
●スマホをいじっていたり、物をつまむ時などに親指側の手首あたりが痛い
●指を伸ばそうとしたときにカクっとなる感覚。朝方に症状が強く出る。
●指の第一関節が変形して痛む。
●手の甲に痛みはないが腫瘤がある。
●転びそうになり手をついてから手首が腫れている。
●ボールが指先にあたり指の第1関節が伸びない。

●物を持ちあげるとき、蛇口・蓋を開けるとき動作で肘が痛む

上腕骨外側上顆炎など

病態

前腕にある手関節伸筋(主に短橈側手根伸筋)の繰り返す使用により、肘外側部の起始部で微細な損傷が生じて発症すると考えらえています。

治療

治療方法当院ではまず保存療法で対応致します。
以下の治療を組み合わせながら行っていきます。

  1. 局所麻酔薬(ステロイドを含む)注射を行います。
  2. 外用薬(湿布薬や塗り薬)、内服薬(消炎鎮痛剤)を使用します。
  3. エルボーバンドを装着します。
  4. 手関節や手指のストレッチを指導します。
  5. 症状具合や患者様の希望によっては鍼治療や理学療法士によるリハビリテーションを行います。

 

●お子様の手を引っ張ってから痛みがある。

肘内障など

病態

小児(2~4才位)の肘は、骨が未完成であり、骨より靱帯の方が大きいので、腕を体の下にして寝返りをうつ・腕を急に引っ張られた時に骨が抜け発生します。

治療

しっかりとお話を聴きます。レントゲン撮影をして、骨折などの鑑別を行い、その後、整復します。
整復は時間の経過とともに難しくなりますので、受傷したその日のうちに整形外科を受診することは大切です。

予後は良好ですが、小学生くらいまでは繰り返すこともあるので注意してください。

●ボールを投げて肘が痛む

野球肘など

病態

投球動作(胸を張って肘をしならせる時)では肘の内側に強い牽引力が加わり、外側は関節が圧縮され骨どおしがぶつかります。
成長期には骨・軟骨,成人期には筋・腱・靱帯の障害が多く特徴的です。特に成長期の骨・軟骨障害の場合には、それが修復されるまで投球を休止します。無理をすると将来後遺症を残し、満足のいくプレーができなくなります。

治療

組織の修復がされるまでは投球を休止してもらい、その間に理学療法士により投球フォームのチェック、身体の柔軟性のチェックと筋力のチェックを行います。
投球休止期間中にパフォーマンスアップの為の身体作りをお手伝いさせていただきます。

●転倒した際に腕・肘をついてから痛む

橈骨頭骨折、肘頭骨折など

病態

転倒あるいは高所からの転落で、肘を伸ばしたまま手をついた際に、上腕骨と橈骨頭が衝突して生じる骨折です。

治療
徒手整復後固定

固定期間は骨折の程度により異なりますが,3週間前後が標準的です。
骨折のタイプ、転位(整復後のズレ)の程度によっては手術療法の選択も考えられます。
その際は,提携の病院へご紹介いたします。

薬物療法

消炎鎮痛効果の内服薬

理学療法

固定期間中:手関節以外の手指,肩・肘関節を大きく、頻繁に動かしていきます。
関節拘縮(関節が硬くなること)や長期にわたる浮腫や痛みの予防に大変重要です。

固定除去後:

  1. 関節可動域訓練:手関節中心に拘縮を改善していきます。
  2. 徒手療法:頸椎・肋骨・肩・肘・手根部など関節の動きが悪くなっている部位への調整や硬くなっている筋肉へ刺激を加えていきます.拘縮の改善,除痛に効果的です。
  3. 筋力訓練:手関節筋力,握力の回復をはかります。

●スマホをいじっていたり、物をつまむ時などに親指側の手首あたりが痛い

ドケルバン病(母指手関節腱鞘炎)

病態

親指の使いすぎにより、親指を動かすと腱の表面が傷んで痛みを出します。
親指をさらに使うことで、さらに刺激し、悪循環が生じると考えられています。
妊娠出産期の女性や更年期の女性に多く生じます。指をよく使う職業の方にも多いです。

治療

炎症を抑えることが痛みの鎮静化に一番有効です。
当院では腱鞘内に局所麻酔薬(ステロイドを含む)の注射を行い、炎症を落ち着かせます。(患部の安静の指導や消炎鎮痛薬の外用、内服)

●指を伸ばそうとしたときにカクっとなる感覚。朝方に症状が強く出る。

弾発指

病態

指を曲げる腱が腱の浮き上がりを押さえる靭帯性腱鞘(じんたいせいけんしょう)というトンネルの間で炎症が起こり、腱鞘炎になります。
そのまま過度な指の使用を続けていると腱が肥大してばね現象が起こります。

治療

腱の炎症を抑えるために腱鞘内に局所麻酔薬(ステロイドを含む)の注射をして、症状を抑えます。
症状を繰り返す場合や指が伸びないときなどに、手術を考慮します。
提携先病院を中心に、手術実績のある高次医療機関をご紹介いたします。

●指の第一関節が変形して痛む。

へバーデン結節

病態

指の第1関節(DIP関節)が変形し曲がってしまう原因不明の疾患です。
手をよく使ってきた更年期を過ぎた女性に多いです。

リウマチと混同されやすいですが、リウマチは第2(PIP),第3関節(MP)を中心に腫脹を伴う変形が生じます。
へバーデン結節は第1関節(DIP)が変形します。腫れるというよりごつごつしたような変形をします。

治療

痛みのある場所に、消炎鎮痛剤入りの外用剤を使用します。

●手の甲に痛みはないが腫瘤がある。

ガングリオン

病態

潤滑油である関節液や滑液がガングリオンという袋に送られ、濃縮してゼリー状になります。原因はいまだはっきりしていません。

治療

腫瘤のみで無症状なら、放置しても心配はありません。
大きいものや神経を圧迫して痛みを伴うものなどは治療が必要です。

通常は無症状なことが多いのですが、時々、神経のそばにできると神経を圧迫して、しびれや痛み、運動麻痺などを起こします。

●転びそうになり手をついてから手首が腫れている。

橈骨遠位端骨折

病態

転倒などにより手をついた際に生じる骨折です。
好発年齢は10歳前後の小児と60歳以上の女性です。60歳以上の女性では骨粗鬆症による骨脆弱化を背景としています。

前腕には2本の骨があり,橈骨は親指側にあります。手首から1~3cm上の部分に多く起こります。その周囲の腫れ、疼痛、ときにフォーク状の変形がみられます。
小児の場合には変形,腫れは強くないことがありますので注意して下さい。

治療

レントゲンを撮影し、徒手整復後固定を致します。
固定期間は骨折の程度により異なりますが、4週間前後が標準的です。

骨折のタイプ、転位(整復後のズレ)の程度によっては手術療法の選択も考えられます。
その際、提携の病院へご紹介いたします。

固定期間中は消炎鎮痛効果の内服薬で痛みを和らげます。
また、当院では固定期間中に理学療法士によるリハビリを行います。

固定期間中:手関節以外の手指、肩・肘関節を大きく、頻繁に動かしていきます。
関節拘縮(関節が硬くなること)や長期にわたる浮腫や痛みの予防に大変重要です。

固定除去後:

  1. 関節可動域訓練:手関節中心に拘縮を改善していきます。
  2. 徒手療法:頸椎・肋骨・肩・肘・手根部など関節の動きが悪くなっている部位への調整や硬くなっている筋肉へ刺激を加えていきます.拘縮の改善,除痛に効果的です。
  3. 筋力訓練:手関節筋力,握力の回復をはかります。

 

骨折部位の治癒と日常生活に支障が出ないようにリハビリでフォロー致します。

●ボールが指先にあたり指の第1関節が伸びない。

マレット変形

病態

ボールなどが指先にあたり起こります。
2つのタイプがあります。

  1. 当たった衝撃で指を伸ばす腱が切れたために生じるタイプ
  2. もう1つは、第1関節の関節内の骨折が生じ、ズレた状態になったタイプ。
治療

①のタイプでは装具療法→指装具(副子)固定。
②のタイプでは手術療法→手術を必要とする事がありますので、患者様と相談の上、提携病院をご紹介いたします。