アレルギー疾患(花粉症・蕁麻疹・湿疹他)
アレルギーとは
人は侵入しようとするウィルスや細菌など(抗原:アレルゲン)を殺すために撃退する物質(抗体)を体内につくって、自らを守るシステムをもっています。この防御機構を「免疫」といいます。体を守ってくれるこのシステムが、体にとって不都合な結果を引き起こしてしまうのが「アレルギー」です。
通常、人は魚を食べてもなんともないですが、なかには魚を食べると下痢や蕁麻疹などのアレルギー症状を起こす人がいます。このようにアレルギーが起こるのはある限られた体質の人に多く、これをアレルギー体質といいます。
アレルギーによって起こる病気には次のようなものがあります。
- 花粉症
- アレルギー性鼻炎
- アレルギー性結膜炎
- アトピー性皮膚炎
- 気管支喘息
- アレルギー性胃腸炎
- 蕁麻疹・湿疹
- 薬物アレルギー
アレルギーの原因となる物質は様々ですが、主に空気中を浮遊する物質や食物で蛋白質からなるものです。
- 吸入性抗原(花粉・ハウスダスト・ダニ・カビ・ペットの毛・昆虫・そば粉など)
- 食餌性抗原(卵・牛乳・さば・そばなど)
- 薬剤抗原(ペニシリンなど)
- 細菌抗原(ウィルスなど)
- 接触性抗原(うるしかぶれなど)
アレルギー症状を悪化させる要因としては、タバコの煙・車の排気ガス等の化学的刺激。風邪などの細菌感染・ストレスや不安等があげられます。アレルギー性疾患はアレルゲン等による体質的な要素と、環境的な要素が複雑にからみあっているのです。
食物アレルギーは乳児期、花粉症は20~30才代に
乳児期には食物が抗原となる食餌アレルギーやアトピー性皮膚炎が多く、1~3才では上気道炎(中耳炎・副鼻腔炎)を引き起こしアレルギー性鼻炎に移行するケースもみられます。ダニやハウスダストによるアレルギー性鼻炎は3~4才で発症し5~10才頃がピークとなります。花粉症は20~30才代が発症のピークと云われています。
対策
- アレルギーの原因であるアレルゲン(抗原)が特定できたら、身の回りから除去し、できるだけ接触しないような環境作りが大切。
- また、発症や症状のあらわれ方には、生活習慣や精神的・肉体的ストレスとの係わりも大きく影響しますので、十分な睡眠・栄養のバランスのとれた食事を心掛け、ストレスを上手にコントロールすることも重要です。
日常、内科でよく遭遇する皮膚疾患
蕁麻疹やアトピー性皮膚炎等アレルギー性疾患の他に、次のようなものがあります。
- 尋常性ざそう(通称にきび、多く思春期に発症)
- 脱毛症(円形脱毛症、男性型脱毛症AGA)
- 白癬(皮膚真菌症で最多が足白癬)
- 老人性皮膚そうよう症(冬が近づくと皮膚がカサカサに乾燥して痒みを訴える)
- 帯状疱疹(神経節に潜伏感染している水痘・帯状疱疹ウィールスの再活性化により生じるウィールス感染症であり、神経痛様の痛みを伴うのが特徴である。