2023年11月22日(水)

爪の周りが腫れて痛い

先日、診察にて「爪の周りが赤く腫れていて痛い」という相談を受けることがありました。

その患者様はぶつけた訳ではなくこのような症状が出たそうです。

レントゲンでも骨の状態は問題なく、爪周囲の赤み・腫れ・痛みから「爪周囲炎」の診断にて当院にて治療しました。

今回はそんな爪周囲炎についてお話したいと思います。

 

なんで爪の周りが痛くなるの?

爪の周りが痛くなる原因は主に二つです

1 巻き爪(嵌入爪)などでストレスが生じている

2 細菌や真菌の感染による爪周囲の炎症

 

以下ではそれぞれについて説明します。

 

巻き爪(嵌入爪)

この状態は、爪の形状が不適切であるか、または靴が小さすぎて圧迫されることで爪が皮膚に食い込むことから生じます。
爪の適切な形状が崩れることで、爪の端が皮膚に押し付けられ、炎症を引き起こし痛みや腫れを招きます。
また、頻繁な足の負担や急激な運動、体重増加により、爪が圧迫されて割り込む可能性もあります。
これらの要因が重なることで、巻き爪が発生し、痛みを引き起こすことがあります。

細菌や真菌の感染による爪周囲の炎症

爪周囲炎は、爪の周囲の皮膚が炎症を起こし、赤く腫れたり、痛みを感じたりする状態です。
これは爪の周囲に雑菌が感染したり、怪我をしたりすることで引き起こされます。
例えば、爪の切りすぎや、爪を噛むクセがあるなどの不衛生な環境下での爪のケア不足が原因になることがあります。
症状としては、痛みや腫れ、赤み、時には化膿することもあります。
適切な爪のケアや清潔な環境の維持が重要であり、怪我をした場合は適切に処置をし、消毒を行うことが大切です。
症状がひどい場合や自己処置で改善しない場合は、医師に相談し治療を受けることが必要です。爪周囲炎は予防可能であり、定期的な爪のケアが痛みの軽減につながります。

 

どのようなケアをすればいいの

爪の周囲の痛みを予防、改善させるためには自宅でのセルフケアがとても重要になります。

以下にそのケア方法をまとめております。

  • テーピング
    テーピングで爪の端と皮膚の間にすき間を作ったり、指の動かし方をサポートすることで解消できる場合があります。
  • 爪の切り方
    爪の切り方に気をつけることが重要です。
    爪の先を指先より短く切り、両端も指の形に合わせて円く切った状態は避け、爪の先と両端を短く切り過ぎないようにしましょう。
    また、爪を切るときは「お風呂上がり」など、爪が柔らかくなっているときがベストです。
  • 靴の選び方
    靴が巻き爪に影響している場合もあります。足指を締め付けたり足先に当たったりする靴は巻き爪の原因になるので、足に合った靴を選びましょう。
    また菌の繁殖を防ぐため、通気性のある素材の靴を選ぶことが大切です。汗や湿気がたまらないように気をつけましょう。
  • 歩き方
    足指に体重がきちんとかからない状態が続くのも、巻き爪の原因になります。「足指をしっかり使う歩き方」を意識しましょう。
  • 爪の周りを清潔に保つ
    ささくれを剥いたり、爪を噛んだりせず、また爪を切ったあとはよく石鹸などで洗い、清潔に保つようにしましょう。

それでも症状が良くならない、繰り返す場合は?

対処法と予防法を試しても症状が改善しない場合、膿が出たり、歩けないほどの痛みがあるなど、症状が悪化する場合は、医療機関での診察を受けることをお勧めします。

爪周囲の問題は、皮膚科または整形外科で処置してくれます。

あまりに巻き爪がひどく、手術が必要となる場合は専門機関へ紹介もすることもございます。

早期に発見して対処することが大切です。具体的な対処方法については、医師と相談の上で決定することが最善です。

 

今回当院に相談に来たこの患者様は、爪周囲の消毒・爪切りのポイントを説明・抗生物質の服用にて処置し、1週間程度で症状は改善しました。

当院ではそういった処置ではなく、インソールや歩き方の指導などのリハビリも行っているため、今後の予防においてもサポートすることができます。

爪周囲の痛みは自身でのケアで予防することができるので、日頃の生活から注意するようにしましょう!