先日、診察にて「朝起きたら手に力が入らない」と言った訴えの患者様が来院されました。
話を聞いていると、前日の夜は子供と一緒に寝ており、腕枕をして寝かせていたようです。
レントゲンでは頚椎症や変形などはなく、『橈骨神経障害』が疑われます。
今回はそういった「朝起きたら手の力が入らない」ことについてお話したいと思います。
朝起きたら手が動かない原因
長時間同じ姿勢で寝ていたり、手首に負担がかかるような状態が続くことで起こることがあります。これは、寝ている間やたくさん使う事で『橈骨神経』という神経に負担がかかることで、このような症状が引き起こされます。
橈骨神経は、二の腕から手の指先にかけて走る神経です。手の動きや感覚を司る重要な神経であり、日常生活において欠かせない役割を果たしています。
腕枕をして寝ていると、二の腕の所で、この橈骨神経が圧迫され、朝起きると痺れたり、力が入らなくなったりします。
起きた時に力が入らない時はどうしたらいい?
基本的には安静にしていれば症状は改善していきます。
しかし日常的によく手を使用する方は、橈骨神経に負担がかかりやすいため、マッサージ等のケアが大切です。
腕の軽いマッサージや手首のストレッチを試してみましょう。
それでも症状が改善しない、生活に支障が出ている場合は病院受診することも大切です。
症状によって、神経や血流を改善するお薬での治療、リハビリをする事もあります。
一部の場合には手術が必要となることもあります。手術後は、リハビリテーションを通じて手の機能を回復させることが重要です。
寝ている間の注意点
寝ている間に橈骨神経に負担がかからないように、適切な寝具と寝姿勢を選ぶことが大切です。
硬すぎないマットレスや枕を選び、手首を無理な角度で曲げないように心掛けましょう。
まとめ
この患者様は、神経の働きをよくするお薬を2週間程内服し、症状は改善しました。
朝起きた際の手の動かなさは、橈骨神経の問題が原因である場合があります。
適切な寝具と寝姿勢の選択、定期的なストレッチやエクササイズ、専門家の助言を得ることで、手の動きを改善することができます。症状が重い場合は、医師や専門家に相談し、適切な治療法を選ぶよう心がけましょう。