先日、診察をしていると13歳女性の患者様が「歩いていると足の内側が痛む」と受診されました。
頻繁にスポーツを行っており、運動後に特に痛むとの訴えでした。
XP撮影すると足の内側に過剰な骨があり「有痛性外脛骨障害」と診断されました。
今回は「有痛性外脛骨障害」についてお話ししたいと思います。
有痛性外脛骨障害とは
そもそも外脛骨とは、足にできる余分な骨(過剰骨)と呼ばれる骨です。
正常な人の15%前後にみられるといわれており、80~90%は両側性です。
スポーツ活動の盛んな10~15歳の思春期に発症することが多い足部の障害です。
運動を繰り返しているうちに徐々に痛みが強くなることが多いですが、捻挫などの外傷がきっかけとなって発症することもあります。
有痛性外脛骨の痛みの主な原因と症状
外脛骨は足部過剰骨の中で最も頻度が高く、後脛骨筋腱が付着する舟状骨の内側後方にみられます。
急激な運動負荷(ランニングやジャンプ)や外傷を契機としで後脛骨筋腱による外脛骨部への牽引力が繰り返し加わると痛みが発生します。
発症すると足の内くるぶしし前方足底側に硬い隆起物が触れるになり、そこを押さえると強く痛みます。
また外反扁平足を合併することが多くみられます。
「外脛骨の痛みの治療法」
有痛性外脛骨と診断された場合、当院では以下のような治療をしていきます。
1.休息とアイシング
外脛骨の痛みが現れた際には、まずは足への負担を軽減するために運動の休息が重要です。
また、炎症部位を氷や冷水で冷やすことも大切です。
2.鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs))の使用
鎮痛薬(非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs))を使用することで炎症や痛みを和らげることができます。ただし、副作用に注意し、医師に相談することが大切です。
3.理学療法とインソール
当院の理学療法では足部周囲のストレッチや筋力強化にて、足首の正しい動きを獲得し、日常生活で負担がかかりにくくする動きを指導します。
また、適切な靴を選ぶことで、足への負担を減少させることができます。特に、足のアーチをサポートするインソールの使用は外脛骨の痛みの軽減に役立ちます。
当院では足の形や体重のかかり方を計測し、患者様一人一人にあったインソールを作成しています。
まとめ
今回の患者様は、自宅でのストレッチと足部のトレーニングを行い、2週間の運動休止で炎症は引き、症状改善しました。
有痛性外脛骨において大事なことは、足部の筋肉を柔軟にして、適切な運動量と休息のバランスをとり予防と再発防止をすることです。健康な足を保つために、適切なケアと予防策を実践しましょう。