先日、診察をしているとこのような患者様がいました。
60代の主婦の方で、「なにか特別に手を沢山使った、ぶつけたなどの原因がなく、手指の第1関節に痛みと腫れがでてきた」との訴えでした。
レントゲンで確認したところ、手指の第1関節(DIP関節)の変形による、ヘバーデン結節と診断されました。
今回はそのヘバーデン結節についてご紹介したいと思います。
「よく耳にするけど…」へバーデン結節とは?
へバーデン結節(へバーデンけっせつ)は、皮膚や皮下組織にできる良性の腫瘍の一種です。
一般的には痛みを伴わない小さなしこりとして現れ、一時的に大きくなったり、縮んだりすることがあります。
主に手や足の指の関節できることが多く、痛みを伴わない場合は経過観察でいいのですが、気になる場合は医師の診察を受けることをおすすめします。
へバーデン結節の症状は?
- 小さなしこりの形成:しこりは皮膚や皮下組織にできます。触れると硬く、指でつまんで動かすことができます。(ミューカシスト)
- 多数の結節の出現:一つだけでなく、複数の結節が同時に現れることもあります。
- 大きさの変化:結節の大きさは一時的に増えたり、縮んだりすることがあります。
- 痛みの欠如:通常、へバーデン結節は痛みを伴いませんが、圧迫されると軽度の痛みを感じることがあります。
へバーデン結節の原因は?
ヘバーデン結節の正確な原因はわかっていません!
しかし、症状出現にはいくつかの要因があります。
- 遺伝的要因:へバーデン結節は家族性であることがあり、遺伝的な要素が関与している可能性があります。
- 性差:女性に多く見られる傾向があります。
- 摩擦や圧迫:手や足の摩擦や圧迫が原因で発生することがあります。
へバーデン結節の治療法
へバーデン結節の治療法は、通常は必要ありません。
ただし、結節が大きくなったり痛みを伴ったりする場合には、以下の治療をすることがあります。
- 手術:大きな結節を取り除くための手術が行われることがあります。
- 注射療法:痛み止めの注射で炎症を引かせます。
- 装具の使用:装具を使用して安静にすることで痛みを軽減させます。
まとめ
ヘバーデン結節は基本的には痛みが出ない場合はそのまま経過観察になります。
ただ、気になる場合や痛みがある場合は医師に相談しましょう。
今回この患者様は装具(ヘバーデンスプリント)を着用して、指の第1関節を保護して経過観察となりました!