先日、診察にて30代の男性が「歩くとき、特に朝起きてベッドから降りた際の1歩目で足の裏が痛い」と訴えで来院されました。
診察の結果、「足底筋膜炎」と診断されました。
今回はこの「足底筋膜炎」についてお話したいと思います。
1. 足底筋膜炎とは?
足底筋膜炎は、土踏まずや踵部など足の裏の部分に痛みや炎症が起こる症状です。
足底にある「筋膜」と呼ばれる組織が炎症を起こし、歩くときや立つときに痛みを感じることがあります。
主な症状は
- 特に朝起きたり、長時間歩いたりした後に痛みを感じます。
- 痛みがひどいと歩きづらくなることがあります。
- 足を温めると痛みが和らぐことがあります。
などです。
2. 症状の原因
足底筋膜炎の主な原因は、以下の要因によるものとされています。
- 長時間の負担: 長時間立ち仕事や激しい運動など、足に負担がかかる状況が続くことが原因となることがあります。
- 足の異常な形状: 足のアーチの形状が平らな人(扁平足)や、アーチが高い人は、足底筋膜炎になりやすい傾向があります。
- 過体重: 過体重である場合、足にかかる負荷が増え、足底筋膜炎のリスクが高まります。
この患者様は、理学療法でのインソールの作製や足部周辺の筋力強化やストレッチ、正しい歩き方の指導で、約1ヶ月程度で症状改善しました。
「足底筋膜炎」は難治性になることが多く、長い人は半年以上痛むこともあります。
症状の改善・予防には日ごろのケアがとても大切になります!
セルフケアや予防のポイント
足底筋膜炎の症状を軽減するために、以下の自己ケアのポイントを試してみましょう。
- 休息と氷: 痛みが強い場合は、足を休めることが大切です。また、炎症を和らげるために、氷で患部を数回に分けて15〜20分間冷やしましょう。
- ストレッチと筋力トレーニング: 足の筋肉を伸ばすストレッチや、筋力を強化するトレーニングを行うことが役立ちます。
- 適切な靴の選択: 足にフィットし、クッション性のある靴を選びましょう。特にアーチサポートがある靴がおすすめです。
- インソールの使用: 靴に合わせてインソールを使うことで、足への負担を軽減することができます。
- 定期的な足のケア: 日常的に足のケアを行うことも大切です。爪の切り方や保湿、清潔さを保つことで、足のトラブルを予防することができます。