2023年5月18日(木)

歩くと足の裏が痛い

先日、診察にて30代の男性が「歩くとき、特に朝起きてベッドから降りた際の1歩目で足の裏が痛い」と訴えで来院されました。

診察の結果、「足底筋膜炎」と診断されました。

今回はこの「足底筋膜炎」についてお話したいと思います。

1. 足底筋膜炎とは?

足底筋膜炎は、土踏まずや踵部など足の裏の部分に痛みや炎症が起こる症状です。

足底にある「筋膜」と呼ばれる組織が炎症を起こし、歩くときや立つときに痛みを感じることがあります。

主な症状は

  • 特に朝起きたり、長時間歩いたりした後に痛みを感じます。
  • 痛みがひどいと歩きづらくなることがあります。
  • 足を温めると痛みが和らぐことがあります。

などです。

 

2. 症状の原因

足底筋膜炎の主な原因は、以下の要因によるものとされています。

  • 長時間の負担: 長時間立ち仕事や激しい運動など、足に負担がかかる状況が続くことが原因となることがあります。
  • 足の異常な形状: 足のアーチの形状が平らな人(扁平足)や、アーチが高い人は、足底筋膜炎になりやすい傾向があります。
  • 過体重: 過体重である場合、足にかかる負荷が増え、足底筋膜炎のリスクが高まります。

 


 

この患者様は、理学療法でのインソールの作製や足部周辺の筋力強化やストレッチ、正しい歩き方の指導で、約1ヶ月程度で症状改善しました。

「足底筋膜炎」は難治性になることが多く、長い人は半年以上痛むこともあります。

症状の改善・予防には日ごろのケアがとても大切になります!

セルフケアや予防のポイント

足底筋膜炎の症状を軽減するために、以下の自己ケアのポイントを試してみましょう。

  • 休息と氷: 痛みが強い場合は、足を休めることが大切です。また、炎症を和らげるために、氷で患部を数回に分けて15〜20分間冷やしましょう。
  • ストレッチと筋力トレーニング: 足の筋肉を伸ばすストレッチや、筋力を強化するトレーニングを行うことが役立ちます。
  • 適切な靴の選択: 足にフィットし、クッション性のある靴を選びましょう。特にアーチサポートがある靴がおすすめです。
  • インソールの使用: 靴に合わせてインソールを使うことで、足への負担を軽減することができます。
  • 定期的な足のケア: 日常的に足のケアを行うことも大切です。爪の切り方や保湿、清潔さを保つことで、足のトラブルを予防することができます。