年齢を重ねるにつれ痛くなってくる肩や膝などの関節痛。その原因は長年使ってきた関節に、体重や姿勢の悪さ、誤った動かし方などで関節にある軟骨が摩擦ですり減ってしまうために炎症が起こります。
いわゆる五十肩(肩関節周囲炎)、変形性膝関節症などです。
当院にもそういった悩みを持つ患者さまは多くご来院されます。
今回は五十肩、変形性膝関節症における治療のひとつ、「ヒアルロン酸注射」についてお話します。
美容業界でも活躍する「ヒアルロン酸」
ヒアルロン酸とは、水を貯える作用があり、水分が多くトロトロした特性があり、1グラムのヒアルロン酸は約6リットルの水を保持する事ができるとされています。
私たちのからだにたくさん含まれており、目や皮膚、関節などに多く、約半分は皮膚に存在します。紫外線によって皮膚のヒアルロン酸が損傷するため、75歳では19歳のおよそ25%にまで皮膚のヒアルロン酸が減少するとされています。
そのためヒアルロン酸は医療業界だけでなく美容でも多く使用されおり、その高い保湿性から化粧品に多く含有され、紫外線や乾燥によるダメージから皮膚を守り、シワ、しみを防ぐことができます。
近年では美容外科による皮下注射の人気も高くなり、深いシワやたるみ改善、二重術や涙袋形成などにも使用されています。
関節治療におけるヒアルロン酸注射
関節は、摩擦を限りなく無くし、スムーズに動くために関節液で満たされています。
加齢や過度な使用、体重増加など関節に負担がかかると摩擦が生じてしまい軟骨がすり減ってしまいます。
関節液や軟骨にもヒアルロン酸は含まれており、その働きは
・関節のすべりを良くする
・衝撃を吸収する
・関節同士が密着するように陰圧にする
などの働きがあります。
関節がスムーズに動くことで、五十肩による動きの制限を改善させたり、変形性膝関節症の進行を遅らせたりすることを目的としています。
注射の間隔と回数について
当院での五十肩、変形性膝関節症のヒアルロン酸注射の間隔は
1~5回は週1回、6回目以降は症状の状態に合わせて2週間以上間隔をあけて注射します。
痛みなく、日常生活も問題ない状態になったら終了します。
しかし変形性膝関節症においては、体重がかかる関節のため、変形の度合いによっては痛みがなくても1ヶ月程度のペースで治療することもあります。
五十肩や変形性膝関節症は注射だけではなかなか症状は軽減しません。
日頃からストレッチやトレーニング、体重増加しないような食事管理をして予防していきましょう!
そのほかの予防や治療については過去の記事もご覧ください!
五十肩についてはこちら→→→3ヶ月前から右肩が痛む
変形性膝関節症についてはこちら→→→椅子から立つ時に右膝が痛む