「背中が丸まってきた」「腰痛がなかなか取れない」「ここ1年で骨折を繰り返す」などの相談を受けることが多いです。いざレントゲンを撮ってみると『いつの間にか骨折している』なんてこともあります。
これは骨密度の低下による『骨粗鬆症』という疾患によって、引き起こされる症状です。
『骨粗鬆症』についてはこちらをご覧ください→『健康診断で骨密度が低いと言われた』
今回は骨粗鬆症と診断されたあとの治療についてお話したいと思います。
骨粗鬆症の治療
骨粗鬆症の治療に一番大事なことは「骨密度を下げないように維持すること」です!
当院での骨粗鬆症治療は主に、内服薬、注射もしくはその両方で治療します。
骨は常に古い壊し、新しい骨を作る働きを繰り替えしています。
骨粗鬆症治療の狙いとしては「骨を作る働きを高める」or「骨を壊す働きを抑える」のどちらかになります。骨密度、血液検査結果、年齢、かかっている病気によって治療方法を選択します。
内服薬
内服薬は骨粗鬆症治療においてとても重要になります。
その目的としては「骨密度を維持する」ことであり、骨を作る働きのあるビタミンDやビタミンKを高める作用がある薬を服用します。
1日1回、必ず毎日内服するようにしましょう!
注射
当院での骨粗鬆症注射は「骨を作る働きを高める」「骨を壊す働きを抑える」ことに対して選択して注射を行います。
「骨を作る働きを高める」注射は月に1回を1年間行います。
「骨を壊す働きを抑える」注射は半年に1回行います。
どちらも定期的に骨密度検査を行い、効果を確認していきます。
治療における注意
内服薬、注射ともに副作用がしばしば見られることがあります。
薬を飲むことで血液中のカルシウムの数値があがってしまい、腎臓に負担がかかってしまので定期的に採血を行い、その数値をチェックします。
また、骨粗鬆症治療中は歯科治療も注意が必要です。
骨粗鬆症治療中に歯を抜くような歯科治療を行うと、歯茎が壊死を起こすことがあるので、骨粗鬆症治療の間は必ず歯医者にその旨をお伝えください。
今では50歳を超えた女性の1/3は骨粗鬆症と言われています。
骨粗鬆症と診断されてからの治療に頼らず、十分に予防することが大切です。
今一度生活習慣を予防して骨密度を高めましょう!