年始の代名詞といえばやっぱり『箱根駅伝』。今年は駒澤大学が優勝しましたが圧巻の走りでしたね!
現地やテレビで応援していた方も多いと思います。
そんな駅伝の熱気に感化され、正月で食べすぎ・飲みすぎでだらけきった体を何とかしようとランニングを始めた方も少なくありません。
そこで、今回はランニングで起こる膝の痛み。『ランナー膝』についてお話しようと思います!
「ランナー膝」とは?
ランナー膝とは、文字通りランニングをする人に多く引き起こされる膝の外側の痛みで、一般的に『腸脛靱帯炎』と言われています。
症状は走り始めより、ランニング中に出現する事が多く、急性期や症状が強いと暗安静時や歩行時にも痛みが続きます。
ランニングを始めた方・階段の上り降りが多い方、トラックを周回する陸上選手、カーブの外側の脚などで発症することが多いです。
男女比は男子に多いとの報告もあります。
原因は?
ランナー膝の主な原因としては、腸脛靱帯炎とも呼ばれているように腸脛靭帯の炎症によって引き起こされる痛みの事です。
腸脛靭帯とは股関節の外側にある大腿筋膜張筋とお尻にある大殿筋・中殿筋が大転子部で交わって一つの腱になり、膝の外側にあるGardy結節というところに付着します。
膝腸脛靭帯と大腿骨(外側上顆)との間で摩擦がかかり、腸脛靭帯と骨膜が直接刺激させるか、外側上顆直上の滑液包に炎症を生じて発症します。
膝を完全に伸ばした時は外側上顆の前方にある腸脛靭帯が、屈曲約30°あたりで外側上顆を超えて後方へ移動するため、膝の曲げ伸ばしが多い動作で摩擦がかかります。
リスクと予防
腸脛靭帯と外側上顆で摩擦が起こるリスクがいくつかあげられます。
- 内反膝(O脚)
- 扁平足
- 筋肉(大腿筋膜張筋・大殿筋)の硬さによる股関節アライメント
- 下腿内旋制限
- 悪いランニングフォーム など
特に痛みの出やすい肢位として『Knee-out・Toe-in』の肢位が多いと特に摩擦する頻度が増えストレスが多くなってしまうので避けるようにしましょう。
治療
当院での治療としては
- 患部のステロイド注射
- 鎮痛薬や外用薬
- 鍼治療
- 理学療法による姿勢、ランニングフォームの改善
- インソールによる足部アライメント修正 など
また自宅でも股関節周囲筋のトレーニング・ストレッチ、腸脛靭帯の筋膜リリースなどのケアが大事です。
これからランニングを始める方、現在もランニングしている方、階段の上り降りが多い方は普段の姿勢・ランニングフォームに気を付けて走るようにしましょう!