よくこの時期になると「昨日、大掃除で窓拭きをしてから腕が痛いんですよ」とおっしゃる患者様が増える印象があります。
年末は大掃除で窓掃除や普段使わない棚の整理などで腕を高く上げて行うことが多くなる時期です。
実は生活の中で肩を90°以上あげる機会は多くありません。そのような背景で腕に大きな負担をかけてしまった可能性が高いと思われます。
このような症状では「腱板損傷(けんばんそんしょう)」などが大きく考えられます。
腕の痛みを考える時は、「どのように痛みが出るか」を捉えることが大切です。
例えば、肩を動かして痛みが再現されると「肩関節」が原因で痛みになっている可能性が高いです。
首を動かして痛みが再現される場合は「首」が原因で痛みになっている可能性が高いです。
今回はこの肩関節についてお話ししたいと思います。
腱板損傷(けんばんそんしょう)とは
肩関節を支えている腱板という小さい筋肉が傷ついてしまい、痛みを伴うことをいいます。
程度によっては腱板が断裂してしまい、腕が大変上がりずらい状況になることもあります。
症状の特徴としては
❶ 腕を動かすと痛みを伴う(腕が痛い、肩の後ろが痛い、肩が痛い)
❷ 腕に力が入らない
❸ 夜痛みがある
❹ じっとしていても痛みがあるなど
みなさんが思っている五十肩と症状が似ているものが多いです。
しかし早いうちに対処することがとても大切になります。
どうすればいいの?
損傷の程度にもよりますが、治療法は手術療法や保存療法など様々です。
大切なのは症状が出始めの頃は炎症がひどいため、まずは炎症を落ち着かせることから行っていくことが大切です。
すぐに通院ができそうな環境の場合はお近くの整形外科クリニックを受診することをお勧めします。
当院では、痛み止めの注射や理学療法士による動かした方の指導や安静の仕方の指導が行われることが多いです。症状が出た始めの頃は炎症がひどいため痛み止めを打つと痛みが和らぐ方も多くいらっしゃるので、何事も早く治療を開始することをお勧めします。
すぐに受診できそうにない場合は、安静が第一です。
腕を動かして痛みを伴う場合は、痛みが出るような動きは避けてください。動かして治そうとする痛みを増強させてしまう恐れがあります。
じっとしていても痛みを伴う場合は、腕の重みが痛みを引き起こしているケースがあります。三角巾などで腕を吊るすのも良いと思います。
夜寝る時痛い場合は、腕の下にタオルや枕を敷いてみてください。楽になるケースがあります。
この動画に対処法が書いてあるので参考にしてみてください