2025年2月1日(土)

冷えると関節が痛む

冬になると「膝が痛い」「関節がこわばる」「朝起きると指が動かしにくい」と感じる方が増えます。寒さと関節痛には深い関係があり、適切な対策をとらないと痛みが慢性化することもあります。

今回は、寒さが関節に与える影響と、その対策について整形外科の視点から解説します。

 

1. なぜ寒くなると関節が痛くなるのか?

1-1. 血流が悪化し、関節がこわばる

寒さを感じると、体温を維持するために血管が収縮し、関節や筋肉への血流が減少します。その結果、関節周りの筋肉が硬くなり、動かしにくさや痛みを感じやすくなります。


1-2. 気圧の変化による影響

冬は低気圧の日が増えるため、関節内の圧力が変化し、痛みを感じやすくなります。特に、変形性関節症や関節リウマチの方は、気圧の影響を受けやすく、痛みが強くなる傾向があります。

低気圧による影響

  • 関節周囲の神経が圧迫され、痛みを感じやすくなる

1-3. 寒さで筋肉が硬直し、関節に負担がかかる

寒さによって筋肉が冷えると、関節の動きをサポートする筋肉が十分に働かなくなり、関節への負担が増えます。特に膝・腰・肩などの関節は、周囲の筋肉のサポートが重要なため、痛みが発生しやすくなります。

こんな症状が出やすい

  • 長時間座った後に膝の痛みを感じる
  • 朝起きたときに腰の違和感が強い
  • ちょっとした動作で関節が引っかかる

2. 冬の関節痛を防ぐための対策

2-1. 関節を温める

寒さによる血行不良を防ぐために、関節周りをしっかり温めることが大切です。

対策

  • カイロやサポーターを活用(腰や膝に貼ると効果的)
  • 厚手の靴下やレッグウォーマーで足を冷やさない
  • 40℃程度のお湯で10~15分ほど足湯をする

2-2. 軽い運動を取り入れる

関節痛を予防・改善するためには、適度に動かして血流を促進することが重要です。

おすすめの運動

  • ウォーキング(1日20~30分):膝や股関節の動きを維持する
  • ラジオ体操やストレッチ:関節の可動域を広げる
  • 水中ウォーキング(プール):膝への負担を減らしつつ運動できる

座ったままできる簡単な運動

  • 足首回し(血流を促進し、足の冷えを防ぐ)
  • 膝の屈伸運動(関節の動きをスムーズにする)

2-3. 寝具や服装を工夫する

  • 寝室の温度を18~20℃に保つ(寒暖差を防ぐ)
  • 膝や腰が冷えないよう、厚めの布団や電気毛布を使用
  • 関節が痛む人は、サポーターや着圧ソックスを活用

2-4. 湿度と室温を適切に管理

寒暖差が大きい環境は、自律神経を乱しやすくなります。

  • 室温は20~23℃、湿度は50~60%を目安に調整

3. こんな場合は早めに受診を

以下のような症状がある場合は、自己対策だけでなく整形外科の受診を検討しましょう。

  • 関節が腫れて熱を持っている
  • 痛みが長期間続き、生活に支障が出ている
  • 階段の上り下りが辛く、膝の曲げ伸ばしができない

これらの症状がある場合は、関節の炎症が進行している可能性があるため、早めに専門医の診察を受けましょう。


4. まとめ

寒さと関節痛は深く関係しており、血流の悪化・気圧変化・筋肉の硬直が主な原因です。関節痛を予防するためには、体を温める、適度に運動する、寒暖差を管理することが重要です。

寒い季節も快適に過ごすために、ぜひ今日からできる対策を実践してみてください。もし痛みが強い場合や不安がある方は、早めに整形外科へご相談ください。

寒さに負けず、健康な冬を過ごしましょう。