こんにちは!ラグビーのW杯が開幕しましたね!たまに観るラグビーはハラハラして毎試合楽しみです。
今回はラグビーの試合でも発生頻度の多い「鎖骨骨折」についてお話したいとおもいます。
先日、「自転車で転んで肩を打った」と訴える患者様が2人立て続けに来院されました。
XP撮影をしたところ2人とも「鎖骨骨折」の診断でしたが、1人は手術を考慮し大きい病院へ紹介し、1人はバンド固定による保存加療となりました。
鎖骨の役割と重要性
鎖骨には様々な重要な役割があります。
・肩の動きや首の動きをサポートする
・姿勢(特に首)を安定させる など
鎖骨には多くの筋肉がついているため、鎖骨のサポートがあることによって、肩関節はより複雑な動きが可能になります
鎖骨骨折の原因
鎖骨骨折は外傷(1回の力)で発症することがほとんどです。
特に転倒や接触などで肩を真横から衝いた際に発症することが多く、スポーツ中のケガで特に多くみられます。
スポーツ中の鎖骨骨折のリスク
特にスポーツを行う際には、鎖骨骨折のリスクが高まる場合があります。以下はその一例です。
・接触スポーツ
例:ラグビー、アメリカンフットボール、アイスホッケーなど、選手同士が接触するスポーツ
・転倒のリスクがあるスポーツ
例: スケートボード、BMX、スキーなど
・高い高さからの落下
例: クライミングやアルパインスキーなど
適切な安全装備や技術の習得を通じて、事故や外傷を最小限に抑える努力が重要です。また、肩や胸部のトレーニングとストレッチも鎖骨骨折の予防に役立ちます。
診断と治療
診断は最初に単純X線(レントゲン)を用いて行います。中央部での骨折は比較的診断が容易ですが、撮影方向によっては骨折がわかりにくいこともあるので専門医による診察や診断をお勧めします。場合によってはCTスキャンで詳しく確認することもあります。
治療は、鎖骨骨折は原則手術をしない保存療法にて経過をみます。
一般的にはクラビクルバンドを使用し、胸を張った状態を維持する事で骨折部の安定を図ります。
成人の場合、骨折部のズレが大きいと骨折部がくっつかず偽関節になってしまうこともあり、手術適応となる場合もあります。
固定期間は4週程度になります。
治療中の注意事項
・鎖骨骨折の場合、バンド固定中に最も重要なことは「手を挙げないこと」です。
肩の動きによって骨折部がずれてしまうため、極力骨折した側の腕は挙げないようにしましょう。
・着替えや入浴は一人では行わず、なるべく介助をしてもらいましょう。
・バンドは、着替え以外は外さないようにして、胸を張った状態をなるべく意識しましょう。
・寝るときは骨折した肩が下にならないように注意しましょう。
鎖骨骨折は子供から大人まで頻繁にみられる骨折です。
治療には特に自宅での生活に注意が必要な骨折なので、この記事を参考にしてみてください!