2023年4月17日(月)

パソコンをしていて、腕が痺れる

先日、診療をしているとこのような40代女性の患者様がいらっしゃいました。

「最近、部署が変わってデスクワーク中心になってしまい、作業をしていると右腕が痺れてきてしまう」という訴えでした。

腕にしびれを出すもので考えると、首の疾患を疑います。
お話を詳しく聞いていくと「首を動かしても腕にはしびれが出たりはしない。仕事中同じ姿勢で作業をしているとしびれが出てきます」
レントゲン検査ではストレートネックが見つかった他は大きな骨の変形があったわけではありませんでした。
痛み止めのお薬を処方するとともに理学療法士によるリハビリもオーダーしました。

 

病名よりも、痛みが出る姿勢を理解して修正するのが大切。

今回の方では「長時間同じ姿勢をとり続けること」が痛みを出現させているのが原因と考えました。
長時間同じ部分にストレスがかかり続けていると解釈ができますので理学療法士たちに姿勢と身体の柔軟性をチェックしてもらいました。

仕事の時の姿勢では頭が前に突っ込んでおり、猫背姿勢で作業をしていました。この姿勢ではまず、頭の重みで首が前に曲がってしまうため、首のクッション材である椎間板に相当なストレスをかけてしまいます。
そして腕も内巻きになってしまい、胸の前の筋肉が非常に硬くなってしまい、その硬くなった胸の筋肉の下を腕の神経が通りますので、圧迫される要因になってしまい、腕のしびれが出現してしまいます。

「仕事の姿勢を直してください」なんて言葉は理想論すぎます。当院では理学療法士たちがデスク環境のお話を聞いて椅子の高さや肘置きの使い方、椅子にタオルを敷いて姿勢を自然と修正できるような座り方を指導します。それに追加して硬くなっている筋肉のリラクゼーションやストレッチをします。自宅でもできるようにフォローもしていきます。

 

その後の様子

この方は症状が出現してから2週間程度で来院されたのでお薬の効果と姿勢指導が相まって、1週後にきてもらった時にはしびれも半減していたとお話をいただけました。その後も徐々に落ち着いていき、仕事では気にならないレベルまで落ち着きました。
このように早めにお近くの医療機関にかかれると状態が複雑化せずに済みますので、無理はしないようにお仕事を頑張ってください。